ピンホールとは?
塗装作業をしていると、仕上がりに小さな穴や凹みが見つかることがあります。
これがいわゆる「ピンホール」と呼ばれるもので、見た目も悪いし、
当然、塗装の品質にも影響しますよね。
ピンホールは、塗料の乾燥中に気泡が残って表面に現れる現象で、原因は様々です。
この記事では、ピンホールの原因や対策、修正方法について詳しく解説し、
塗装の仕上がりをより良くするためのポイントをお伝えします。
塗装初心者からプロの方まで、ぜひ参考にしてみてください。
ピンホールが起こる原因
いくつか考えられる原因があるので紹介しておきますね。
1. 塗料の混合不良
塗料や硬化剤、シンナーの混合が不十分だと、塗料に空気が入りやすく、乾燥中にその空気が気泡となって現れることがある。
2. 塗装面の不潔さ
塗装する面に油分やホコリがあると、塗料がその上に乗らずに、乾燥過程で空気が混じってピンホールが出来やすくなる。
3. 塗料の粘度
塗料があまりにも粘度が高いと、スプレーした際に塗料が乾燥する過程で気泡が残ることがある。
逆に、粘度が低すぎると、塗料が流れやすく、気泡が入りやすい。
4. 乾燥条件の不適切さ
乾燥中に温度や湿度が適切でないと、塗料が均等に乾燥せず、気泡やピンホールができることがある。
例えば、急激な温度変化や湿度が高すぎると、これが起こりやすい。
5. スプレーガンの設定ミス
エア圧が高すぎると塗料が霧状になり、気泡が入りやすくなるし、
逆にエア圧が低すぎると塗料が均等に広がらず、ムラやピンホールが発生することがある。
6. 塗装手法の問題
スプレーガンの距離が近すぎたり、スプレーの動きが不均一だったりすると、
塗料が不均等に乗るため、気泡が出来やすくなる。
7.塗料の性質
塗料の種類や成分、乾燥速度によって、ピンホールやハジキが発生することがある。
例えば、速乾性の塗料は気泡が発生しやすい。
塗料や硬化剤・シンナーの撹拌が不十分だと塗料に空気が入りやすくなる理由
次に、塗料や希釈剤の混合が不十分な場合、
何で空気が入りやすくなるかを詳しく説明しますね。
1. 混合不良の原因
塗料と希釈剤を混ぜるとき、適切な比率で混ぜることが大切ですが、
以下のような混合不良があると空気が入りやすくなります。
- 不十分な攪拌(かくはん);塗料と希釈剤が均等に混ざっていないと、塗料の中に気泡が残りやすくなる。特に粘度が高い塗料は、攪拌が不十分だと気泡が発生しやすい。
- 泡立ちやすい希釈剤: 一部の希釈剤は、混ぜるときに空気を含みやすいものもある。これが塗料の中に気泡として残ることがある。
2. 塗料内の気泡の発生
混合不良によって発生する気泡は、塗料の中に閉じ込められることがある。これが塗装の過程でどうなるかというと、
- 乾燥中に気泡が膨らむ: 塗料が乾燥するときに、混ぜられた気泡が膨らんで表面に現れることがある。乾燥することで気泡が膨張し、ピンホールとして表面に現れることが多い。
- 塗膜の中で気泡が残る: 気泡が塗膜の中に閉じ込められて、乾燥後に小さな穴(ピンホール)ができることがある。この穴は塗装の仕上がりに影響を与えるし、見た目にも良くない。
3. 適切な混合方法
塗料や希釈剤を適切に混ぜるためには、以下のポイントを押さえるのが良いと思います。
- 十分な攪拌: 塗料と希釈剤をしっかりと攪拌して、均一に混ぜることが大事。攪拌する際には、気泡ができるのを防ぐために、なるべくゆっくりと攪拌するのもアリです。
- エア抜き: 混合後に、塗料を少し放置して気泡を抜くと、表面に気泡が残るのを防ぐことができる。
混ぜる時にできた気泡がスプレーガンで塗装する場合でも影響する
塗料を撹拌して作ったときに出来た気泡は、
ガンで塗る場合でも影響することがあります。
具体的には以下の様なことですね。
1. 気泡の残留
混ぜる過程でできた気泡が、塗料の中に残っていると、
スプレーガンで塗布する際にもその気泡が塗装面に影響を与えることがある。
気泡が塗膜の中に閉じ込められ、乾燥後にピンホールとして現れることが多い。
2. ガンに移す際の影響
塗料をスプレーガンに移す際にも、気泡がスプレーガン内に残ることがある。
スプレーガンの内部で塗料が圧力をかけられると、気泡が塗装面に放出される可能性がある。
この気泡が原因で、仕上がりにムラやピンホールができることがある。
3. エア抜きの工夫
気泡を最小限に抑えるためには、以下のような工夫が有効です。
- 塗料の静置: 塗料をスプレーガンに移す前に、しばらく静置して気泡を抜くと、塗料内の気泡が自然に消えることがある。
- スプレーガンの設定: スプレーガンのエア圧や塗料の流量を適切に設定し、塗料が均等に噴射されるようにすることで、気泡の影響を減らすことができる。
- 塗料フィルターの使用: スプレーガンに塗料フィルターを取り付けると、塗料内の気泡や異物を取り除けるし、よりスムーズな塗装が可能になる。
- 混合時の注意: 混合時にできるだけ気泡が入らないように、丁寧に攪拌し、エア抜きの工程も取り入れることが大切です。
ストレーナーの役割
ストレーナーは塗料の中の異物や気泡を取り除くためのもので、
塗料がスプレーガンに入る前に通すことで、塗装面にムラや問題を引き起こす物質を除去できる、ナイスな道具です。
- 異物の除去 塗料に混入している小さな異物(ほこりやゴミなど)を取り除くことで、塗装面がスムーズで均一になる。
- 気泡の抑制 ストレーナーを使うことで、塗料内の小さな気泡がスプレーガンに送られる前に取り除かれることがある。これにより、塗装面にピンホールができにくくなる。
- ガンの保護 ストレーナーを使うことで、スプレーガン内部の部品に塗料の異物が詰まるのを防ぎ、ガンの寿命を延ばすことができる。
ストレーナーの選び方
- 目の細かさ: ストレーナーにはさまざまな目の細かさがあり、塗料の種類や用途に応じて適切なものを選ぶ必要があるで。目が細かいほど、小さな異物や気泡を取り除けるけど、目が詰まりやすくなることもある。
- 材質: ストレーナーは通常、ナイロンやメッシュで作られており、耐久性があり、洗浄しやすい材質が選ばれることが多い。
ハジキをゼロにするのは難しい
どんなに注意を払ったとしても、ハジく時はハジきます。
それはもう仕方ないことなので、ピンホールが起こってしまった時どうするのかの
修正方法と対策を解説しておきます。
ピンホールが起こったときの対策と修正方法
下地処理の徹底
塗装面の状態をしっかり整えることが重要。下地処理を丁寧に行うことで、ピンホールやハジキの発生を抑えることができる。
適切な塗料と環境の選択
塗料の特性や使用する環境を理解し、適切な選択をすることで、問題の発生を最小限に抑えられる。
修正方法
もしピンホールやハジキが発生した場合は、以下のような修正方法が考えられる。
- 研磨: 乾燥後に軽く研磨して、平滑な表面にする。
- 再塗装: 必要に応じて、再度塗装することで仕上がりを改善する。
- クリアコート: クリヤーを塗り直しすることで、ピンホールやムラを目立たなくする。
軽度の場合は研磨すればパッと見は分からなくなりますが
後のことを考えると、再塗装する方が確実です。
あまりにもひどい場合は、サフェーサーからやり直さないと
綺麗に直らない場合があるので、状況に応じて作業することが重要です。
結論、ピンホールが起こった場合、再塗装する方が確実です。