スプレーテクニック関連 不具合まとめ

塗装の不具合『ドライスプレー』

ドライスプレーとは?

塗装中、塗料が早く乾燥してしまって

粉っぽい肌になってしまったり、

その上から塗り重ねてしまって、ザラザラになってしまうことを

『ドライスプレー』と言います。

 

例えばボカシ塗装の際、

ボカシパネルがザラ付いてしまい、

色ムラになってしまうことも、

このドライスプレーが原因です。

 

 

ドライスプレーになる原因

ドライスプレーになる原因を3つ上げていきますね。

 

シンナー(希釈剤)の選定ミス

1番大きな原因は、シンナー(希釈剤)の選定ミスです。

温度と湿度を見て、丁度か早めを選んだ場合

ドライスプレーになりやすくなります。

例えば、温度20℃、湿度60%の場合

シンナー(希釈剤)を20℃のものに合わせると

だいたいドライになるといった具合です。

 

ガンとパネルの距離が遠すぎる

ガンとパネルとの距離は20センチ前後が適正とされていますが、

それよりも遠い場合は、

塗料が乾きながら届いてしまうことがあります。

特に大きなパネルを塗る場合、

ガンがパネルと垂直にならない場合があり

パネルとガンが斜めになったいる場合は

ドライスプレーが起こりやすくなります。

 

温度と湿度の影響

高温・低湿度の場合、塗料が乾燥しやすくなります。

夏場の高温時や冬場の低湿度時は、

時にドライスプレーが起こりやすいので注意が必要になります。

 

 

ドライスプレーの対策

ドライスプレーの対策を3つ紹介します。

 

シンナー(希釈剤)の選定

温度と湿度を確認して、

シンナー(希釈剤)の選定を遅めにすると

ドライスプレーの改善に大きく繋がります。

 

塗りながら様子を見て、その肌で行けるかどうか

よく確認することが重要です。

 

しっとりとした肌を基準にすることで

ドライスプレーによる不具合をなくすことに繋がります。

 

エアー圧の調整

エアー圧が高すぎると、塗料が空気中で乾燥してしまい、

表面に均一に塗布される前に乾いてしまいます。

この結果、表面が粉っぽくなったり、ムラができやすくなったりします。

逆に、エア圧が低すぎると、塗料がしっかりと霧状にならず、

ドロップ気味になり、厚く不均一に吹き付けられることがあります。

 

エアー圧の設定は特に重要なので、

ガンのレギュレータ、トランスホーマの設定をよく確認して

メーカー指定のエア圧の範囲内で調整してみてください。

 

また、パネルとの距離やスプレーガンの角度も

エア圧に影響を与える要因なので、次で説明します。

 

ガンの距離を適切に保つ

ガンとパネルとの距離が近すぎると、

塗料が過剰に吹き付けられてしまい、

逆に遠すぎると乾燥が早すぎてムラになります

ガンをパネルから適切な距離(通常15〜20cm)に保ちながら、

エア圧を塗料に合わせて調整し、

均一な吹き付けができるようにすることが重要です。

 

 

まとめ

ドライスプレーの改善方法は

塗料の希釈剤を乾燥の遅いものに変え、

エアー圧を適切に保つ、ということになりますが

正直コレは万能の答えであって、不具合が起こった本人からすれば

答えにはなっていないと思います。

 

なので、もしこの解説で全く理解できない場合は

試しながら塗るのが1番効果的です。

 

試しの希釈で別のパネルを塗ってみて

どう仕上がるのかを確認し、納得行けばクルマを塗る。

 

そうすることで、大体の勘ではなく

ベストに近い状態で塗装できるようになりますよ。

 

 

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