いちころです。
雹害の補修でRAV4を預かっていまして、
とりあえずルーフだけは完成しました。
デントから始めて、
大体2ヶ月ぐらいですかね。
まぁしんどかった.....。
雹害にも凹みが酷いものと
軽いものがあるんですが、
このクルマは酷い方で、本当なら
交換してもおかしくないほどでした。
でもお客さんの都合で、
修理になったんですよね。
それを、他の作業の合間を見ながら
コツコツ進めて、ようやくって感じです。
今回は、雹害の補修時に
何がそんなに難しくて、
時間がかかるのかを
書いていきますね。
納期だけは必ず守る
鈑金塗装の現場だけやっていると、
納期を軽視する人がよくいます。
特に現場のみをやっている人ね。
例えば、
『月末までに必ず納車!』
というと、月末までに塗り上げればOKとか思ってるとか、
そういう感じです。
雹害車両の納期は、基本長めにしています。
預かってから2ヶ月とか。
その間に、一般修理もするわけで
その間に日割りで
作業していくことになるんですが、
やったことがある人は分かると思いますが、
正直しんどい。
と言うか面倒くさい。
特にルーフを鈑金・パテ修正する場合、
脚立に登って、あの広範囲のパテを
いっこいっこ削って行くわけなので、
まぁ、誰もやりたがらないんですよ。
一般修理がいそがしいことや、
まだ納期は先ということもあって、
明日やろ、明後日やろ、
あーもうええわ来週からやろ、
という風に、だんだんと
先延ばしになってしまって、
結局、納期前に慌てて作業しだして
ぎりぎり間に合わせるとか、
そういう事になってしまうんですよね。
元請けも、雹害の修理は時間がかかる
ということは理解してくれているんですが、
やっぱり代車の兼ね合いとかもあり、
一般修理と同様に催促されます。
『ホント申し訳ないんですが…』
と毎回言われると、こちらも申し訳ない気持ちになります。
雹害修理の何が難しいのか
結局のところ、
雹害修理の何が難しいのかと言うと
それはもちろん歪み抜きです。
あの無数の凸凹を、
デントなり鈑金で出したとしても
あれだけ無数に連続して凹んでしまうと
パテ修正をする場合、
基準が分からなくなるんですよね。
1発の凹みなら、
周りと比べることも出来ますよね。
撫でて透かしてみて、
歪を見ることが出来る。
でも雹害の場合、凹みがありすぎるため、
基準となるパネルが遠くて、
補修する箇所が複数だった場合、
パテをまっすぐに研いだつもりでも
全体から見たら、
歪んでいることが多いんですよね
パテはまっすぐ研いだつもりでも、
透かしてみたら、ボコボコ。
例えていうなら、
パテ修正をして、歪みの確認をせずに
サフを塗って、透かしてみたら
ボコボコだったみたいな感じです。
確認しないなら分かりますが、
散々やってそれですからね。
そら心も折れますよ。
・・いや折らないですけど。
この帳尻を合わせるのが
雹害のパテ修理で厄介なところです。
もう一つは、段差の間の処理。
RAV4など、ルーフに沢山の段差がある車の場合
凸のところは普通の研げるんですが
凹んでるところは、凸との間にあるため
なかなか思ってる以上に研ぎにくい。
幅が一定ではないし、
上で書いた凹みが、
ルーフの凹んでいるところにもあるため、
綺麗に研いだと思っていても、
確認したらやっぱり歪んでるということが
ホント多いんですよね。
何度やり直しても、微妙に歪みが残るし
まぁそれは僕の腕のせいかもしれませんが
思った以上に難しい。
雹害のパテ修正は
気がおかしくなるとは聞いていましたが
やってみて納得です。
横の歪は抜きやすい
ルーフに比べて、横の歪みは
まだやりやすいものが多いです。
あまりひどいものだと、
見積もりの時点で交換になるので、
実際に直すのは、
見済みが浅いものがほとんどです。
XにポストしているRAV4も
そんな感じですね。
なので、雹害修理のキモは
ルーフ、ルーフサイドのパテ修正です。
だって数が多いもん。
歪み抜きの際に注意していること
何台かやって思うことなんですが、
完璧をもとめると、
正直言ってなかなか難しい。
それは中には一切の歪を残さず
キレイに直す人もいるかもですが、
自分たちの技術を冷静に見た場合、
そこまでは正直無理。
めちゃくちゃ上手く行って
『分かるけどええ感じやな』
ぐらいが最高です。
ここ直したんやな、あぁちょっと分かるけど
ここまでいけたらもう十分。
パッと見の凸凹はないし、
ペーパー目もない。
その辺りをラインにしています。
そのラインをどこにするのかが結構重要で、
完璧を求めていたら、
どこまでもやり直さないといけなくなるし、
時間も材料も使う。
そうならないように、基準を作り
これぐらいだったらOKという感じにしているという感じですね。
自分たちが見て、ダメだと思うものはやり直す。
これがウチのラインです。
あとがき
雹害の修理方法で、
ルーフの交換というのがありますよね。
これはウチでもやってるんですが
お分かりのように、
事故車扱いになってしまいます。
お客さんの中には、それを嫌って
交換しないという人も多く
ディーラーの預かり車で、
ルーフはそのままで、
ボンネットやフェンダーのみ
交換修理というのはほとんど
こういうお客さんです。
あとは実費とかね。
でも事故車扱いになっても
あとはもしかしたら
水漏れ等に心配もあるかもですが
どっちが綺麗かというと
やっぱり交換だと思いますね。
納期も早くなるしね。
その辺りの決定権はお客さんにあるので
なんとも言えないところですけどね。
皆さんも作業する場合は
カラダとココロに十分気をつけてください。
かなり持っていかれますよ。