いちころです。
僕は今まで30年近く
塗装の作業をしてきまして、
パテ研ぎもかなりの数をやってきたんですが
やっぱり歪みを抜くのは難しいなと。
そしてその前に、パテの研ぎ方にも
人それぞれ考えがあって
それぞれの仕上げ方をしてるんだなと。
そう思うんですよ。
たとえば、キッチリ歪みを抜こうと
何度もパテを乗せて納得いくまで研いだり、
ある程度の歪は仕方ないとして
おこそこで置いたりですね。
皆さんはどうでしょう。
キッチリ抜けます?歪み。
抜けるんだとしたら、それはすごいことだと思います。
少なくとも、僕の見てきた塗装屋、
または鈑金屋で、キッチリ抜いてきた人はいないんで。
やっぱり見たら分かる。
あ、ここをやったんやなというのが分かる。
パッと見はわからないけど、
角度を変えたら分かる、
触ったら分かる。
そういう感じです。
実際の所、パッと見てわからないレベルまで
直せたら、それで十分だと思いますし
それ以上を求めてくる所も少ないでしょうしね。
そこまでいうなら交換せぇやともなりますし。
で、僕は最近では下準備をメインに作業をしてまして、
パテももちろんやるんですが、
やっぱり場所によっては
あんまり上手いこと鈑金してないというか
ちょっと高かったり、やりにくい所が
あったりするんですよ。
そういうところをまともに研いでいると
すぐに鉄板まで出してしまい、
人によっては高いところを叩いている。
もちろん、それで直るならそれで問題ないんですが
うちの場合でいうと、叩いたところで
あんまり変わってないというか
いやボコボコやんけ、という仕上がりが多いんですよね。
ほな叩いた意味は?って感じです。
何がいいたいのかというと、
研ぎ方を工夫することで
もっとキレイに行けるんちゃうか、と。
まともに研ぐ=まっすぐ研ぐ
鈑金の現状と、周りの高さを見ずに、
とにかくパテをまっすぐ研いだら
そら鈑金が悪い場合、鉄板が出ることもありますよね。
それを誤魔化すというか、
鈑金の状態を見ながら、
周りと添わせる=違和感がないように
研ぐ。
昔の鈑金屋の鈑金は、
綺麗な人もいましたが、粗い人も多かった。
僕はその時の習慣で
周りと合わせる研ぎ方が習慣になっていますが
そうではない人からすると
鈑金が悪いからと言って、自分で叩き直している。
叩き直したところで、まともに研ぐから
やっぱりキレイには上がらず、
仕上がりを見ると、結構歪んでいたりね。
ホント多いです。
周りのパネルと合わせるように
全体を見ながら研ぐ。
それが出来るようになると
仕上がるのもはやくなるし、
そこそこ粗い鈑金であがったとしても、
パテ研ぎで、ある程度はいけるようになる。
きれいな鈑金ばっかり触っていると、
この技術があんまり育たなくて、
もうひとつな鈑金を触ってると、
パテ研ぎの技術が向上する。
何か皮肉な感じもしますが、
結果的にこうなんだろうなとは思います。
そうすると、よくある
パテのまわりが透かしてみたら
ちょっと歪んでるという問題も解決できる。
理由を知らない人からすると、
『研ぎ方が甘い』
とか言いそうですし、実際僕も言われましたが
実際のところはそんな単純なことじゃなくて
もっと以前に問題があるわけですよね。
そういったこともふくめ、
研ぎ方は奥が深いし、まだまだ改善の余地がある。
だから歪抜きがきっちり出来る人はすごいと思います。
明日からまた務めます。