体調 現場ログ

塗装時にガンを早く振る人について思うこと

いちころです。

 

塗り方というのは人それぞれで、

ウエットで塗る人や、僕のように

セミウエットで重ねる人、

上から塗っていく人や、反対に

下から始める人。

 

ホント人によりますよね。

そして、それぞれにそう塗る理由があり、

人によっては自分の塗り方が合っていて

他は間違ってるという人さえいる。

 

SNSでもよく見かけるでしょ?

 

で、今回はそんなそれぞれの塗り方の中の一つ、

ガンを動かすスピードについての話です。

 

これもゆっくりの人や速い人など、

ホント人それぞれなんですが、

このことについて、ちょっと思うことを書いていきますね。

 

ガンスピードが速いと肘を痛めやすい

YoutubeやSNSに上がっている

塗装の動画を見ていると、

その中に、ガンスピードがとても速い人がいます。

 

仕上がりを見るととてもキレイで

解説などもしていたので、多分ですが、

その人の中で塗り方が確立されていて、

その理論も、経験に基づいたものなんじゃないかなと

勝手に想像しています。

 

…が、経験者は語るじゃないですが

ガンスピードが速い人というのは

肘を痛めやすい。

ヘタをしたら腱鞘炎になって、

治るまでガンを握れなくなる

可能性もあります。

 

僕が実際そうなったんですけどね。

 

ココに注意

ガンスピードが速い人は腱鞘炎になりやすい?

 

肘を痛めるとどうなるのか?

スプレーガンの歴史はよくわかりませんが

昔に比べて軽くなってるような気もしますけどね。

 

僕がメインで使っているガンは

デビのルナⅡ。

重さは約265g。

カップは400ccで約100gなので、

レギュレーターの重さを入れると

500gくらいですかね。

 

プラス塗料を350g入れたとすると

合計で850g。

 

ガンによっては1kg近くか

超えるものもあるかも知れませんよね。

SATAとか重そうですし。

 

そこで想像してほしいのが

塗りながら重さが減るとはいえ、

1kg近くのものを、毎日何度も何度も振っていると、

当然ながら手首・肘・肩に負担がかかります。

 

体格によっても変わるかも知れませんが

女性の方なんかは特にそうで、

筋肉の少ない細い腕で、ガンを振っていると

おそらくは手首・肘を痛めます。

 

どれだけ技術があっても、

体を痛めたら塗れなくなってしまうのは

想像に易いところですよね。

 

ここで僕の経験談を少し。

 

僕は今でこそガンスピードはゆっくりですが、

若ころは結構速めでした。

それは、速く塗りたいとか仕上げたとかもあったんですが、

速い方が、リズムよく塗れて

ゴミもあんまりつかないような感じがしたんですよね。

なので、ずっと速く動かしてました。

 

で、コレはもう10年以上前になりますけど、

ある日塗っていると、何か肘が痛くなって

まぁええかとそのまま放ってたんですが、

そのうち肘から小指の方まで痛くなってきて、

最終的に、薬指から中指までが痛くなり、

ガンを握るどころか、グーを握ることも

できなくなりました。

 

病院に行くと

『腱鞘炎ですね~』

『直るまで安静にしてくださ~い』

と、軽く言われたのを今でも覚えています。

 

腱鞘炎は直るまで安静にしないと駄目で

その間はまともに仕事が出来ませんでした。

痛くて。

 

なったことがある人は分かると思いますが

何ていうか、電気が走るような痛さなので

我慢するとかしないとかじゃないんですよね。

ビリッとして、ガンを落としそうになる。

 

指も動かしにくくなるし、ホント厄介でした。

 

そして1番厄介なのがこの腱鞘炎は

直っても癖になるということで、

やりすぎたら、また痛くなる。

 

サポーターやテーピングをしても

全くなにもないわけじゃないですが

僕の場合はあんまり効果はなくて、

ただただ痛くて、痛みが収まるまで

安静にするしかなかったんですよね。

 

ココに注意

腱鞘炎は癖になります。なので注意して下さい。

 

仕上がりよりもカラダのことを考えて作業する

それからは、ガンの振り方というか

塗り方を考え、ガンも軽いデビに変え、

筋トレをして鍛えたりして、今に至ります。

 

何が言いたいのかというと、

余計なお世話かも知れませんが、

ガンを速く振るのはあんまりオススメしません。

 

それは、僕のように肘を痛めてしまうと

ホント仕事がやりにくくなるからです。

 

たしかに速く振ると、リズムよく塗れて

おまけに仕上がりも速いし

気持ちよく塗れると思います。

それは分かるんですが、その負担は

カラダ、特に肘にモロに来ます。

 

スポーツをやっている人なら分かると思いますが

肘は消耗品と言われていて、痛めたら元には戻りません。

 

塗装屋は、現場にいる限りは毎日スプレーガンを握るので、

肘の消耗はスポーツ選手並みに過酷です。

 

なので、余計なお世話かも知れませんが

ガンを速く振ることは、あんまりオススメしません。

仕事の技術があっても、塗れなくなったら終わりです。

そうならないためにも、今、ガンを速く振っている人は

早い内に対策するようにして下さい。

 

先々のため、その方が絶対いいですよ。

僕みたいにならないようにしてください。

 

ココに注意

仕上がりも大事ですが、カラダはもっと大事。

長く仕事をするために、注意して下さい。

 

 

あとがき

たかが腱鞘炎と思う人がいるかも知れませんが

コレが結構厄介で、年齢的なこともあるかもですが、

忙しくなったらちょいちょい出てくるんですよね。

 

ガンが握れないどころか、握力が

小学生並みになりますからね。

力も出ないし。

 

なので、まだ腱鞘炎になったことがない人は

十分に気をつけて下さい。

腱鞘炎になっても、仕事は待ってくれません。

 

ガンは速く振らなくても

キレイに塗れるので。

 

仕上がりよりも、カラダの方が大事ですよ。

 

 

 

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